これまで平和であった日本の生活環境が近年脅かされています。
世界のニュースを見ていても「核」という言葉をよく耳にするようになりました。
危険意識の低い日本国民も「さすがにこれは大変だ」と意識し始め、現在「家庭用の核シェルター」に対する需要が急速にあがっています。
ただその一方で「核シェルターなんて意味ない」という意見もよく聞きますが、その理由について調査をしました。今回はこの調査でわかった3つの理由と、核シェルターを設置する本当の目的について解説をしていきます。
【核シェルターなんて意味ない】と言われる3つの理由
核戦争時たまたま核シェルターにいた子ども達が生き残る…という意味では、手塚先生の『ふたりは空気の底に』も想起します。そこでは宇宙旅行用カプセルが結果的に核シェルターの役割を担います。世界を滅亡させた核戦争のときカプセル内にいた2人の赤ん坊(男女)がその閉鎖空間で成長していく物語。 pic.twitter.com/rgDpCHX3GM
— 稲垣高広(仮面次郎) (@kamenjiro) August 10, 2018
「核シェルターなんて意味ない」と言われる理由を今回調査して、分かった3つの根拠がこちらになります。
「核シェルターなんて意味ない」と言われる3つの理由
- 爆発に間に合わない
- シェルターでの生活環境
- 「シェルター」違い
そしてこの3つの理由から分かる、核シェルターを設置する本当の目的とは何なのか?
こちらを解説していきます!
理由①:爆発に間に合わない【核シェルターなんて意味ない】
どこかの国が核ミサイルを発射するとします。
一番可能性が高い国が、2022年現在でいえば北朝鮮でしょうか。
日本からわずかな海を隔ててそびえるその国は、近年何発もの弾道ミサイルを海へ向かって発射して「Jアラート」を発動させています。
北朝鮮からミサイルが発射されて日本まで着弾するまでにどのくらいの時間がかかると思いますか?
わずか10分です。
10分で自分の家に設置している核シェルターに逃げ込むことができるでしょうか。もっと言えば、実際に私たちが放たれたミサイルの存在に気付くのは「Jアラート」の警報が鳴ってからです。
そう考えると実質核シェルターへの避難に使える時間はわずか5分程ではないでしょうか。
実際に家にいて暇を弄ばしていたのであればともかく、料理をしていたり、トイレにこもっていたりしていただけで避難は困難、はたまた仕事で外出をしていたらもはや絶望的であるといえるでしょう。
つまり実際に高価な核シェルターを自宅に構えたとしても、爆発に間に合わないのであれば「それは有効活用できていないよね(意味ないよね)」ということに繋がりかねないのです。
理由②:シェルターでの生活環境【核シェルターなんて意味ない】
もしそのような惨事が起こってしまい「核シェルター」に逃げ込んだとしたら、いったいどの位の間シェルター内にいなければならないのでしょうか。
それは大体2週間ほどが目安であると言われています。
もし核が日本の地上に落下したとしたら、爆発によって生まれる大量の放射線物質で地上は瞬く間に汚染されていきます。それは木や海や土などの自然物質のみならず、犬などの動物、人間だって例外ではありません。
その放射線による汚染が2週間程続くのではとされているからです。
そうした場合「核シェルター」は家族全員で過ごす第二の居住地ともなり得るわけです。例えば親2人と子供2人の4人家族だとするならば、例えば6帖の居住空間の核シェルターを設置したとして、生活環境は十分でしょうか。間違いなく「小さすぎる」といえます。
家族4人が横たわるスペースだけでなく、核シェルター内は2週間という期間を過ごすための備蓄された食料や被災道具が大量に保管されているはずです。
携帯用のもので排泄をすますとしても、その空間内で済まさなければならないとなるとやはりそのような空間で2週間過ごすのは困難です。せめて2部屋あり、1部屋が排泄と備品を管理する空間、もう1部屋で家族がやる過ごすという構造でないと厳しいのです。
ところが設置する段階では「そこまで大きなものは必要ないのでは・・(使うかどうかも分からないし)」という考えで6帖程のものを設置することが多いのが現状なのです。
理由③:シェルターちがい【核シェルターなんて意味ない】
「核シェルターなんて意味ない」を言われている3つめの理由は「核シェルター」そのものをはき違えている人が結構いるということです。つまり「核シェルター」と普通のシェルターを混同して
シェルターとは一般的には「避難場所」という意味になります。つまりアウトドアで使用するような簡易的なテントでさえ「シェルター」という意味合いになり得るということです。
一方、核シェルターはその避難場所という意味に加え、「爆発・爆風・放射熱・火災・水害・放射線」などからも身を守るものでなくてはなりません。きちんとした設計に基づき、壁厚などの構造計算から内部には、汚染物質を除去するろ過フィルターを搭載した専用の空気清浄機を設置するなど、必要なものが多くあります。
ところが、悪い業者さん、もしくは不慣れな業者さんの中にはこうした部分をおろそかにして、本来の「核シェルター」としての機能が不十分な状態で提供するケースも十分起こり得るのです。
そうした「シェルター」違いのものはもはや「意味ない」ということに繋がってしまうのです。
家庭用核シェルターを設置する本来の目的とは
核シェルター建設中
コンクリートの躯体の周りにγ線遮蔽の為の60mmの鉄板を張り巡らせて錆止めを塗ったところ
だいぶ完成に近づいてきました
市販のシェルターで外部電源があるものは意味ないです
地下室と勘違いしてるのかな?
EMP攻撃で全ての電源が喪失して使えなくなりますので家電不要です pic.twitter.com/qsnSYlThcb
— 金森重樹@ダイエットonlineサロン (@ShigekiKanamori) July 18, 2022
「核シェルター」を家庭で設置をする上で「意味ない」と噂をされている3つの理由をあげてきましたが、きちんとした認識がされていないことが影響している部分もあります。
確かに「核シェルター」と聞くと『爆撃から身を守るもの』というイメージが一般的に強いと思います。ただ本来の目的は次にあるのです。
家庭用核シェルターを設置する本来の目的
核爆発後の汚染物質から身を守るため
核ミサイルが隣国から飛んできたとして、そのJアラートが正常が働いたとしてもその時外出しているのであれば、当然自宅に設置した核シェルターには間に合いません。
核ミサイルなどの発射は当然事前予告されるものではなく、唐突に行われるものなのです。
つまり基本的には「着弾時点で核シェルターにいることが出来る可能性は著しく低い」と言われても、それは仕方のないことなのです。
それならシェルターなんて意味がないんじゃない?
そう考える方もいると思いますが、実は核爆弾の本当の恐怖は着弾してからの環境汚染になるのです。主には「放射線」です。放射線は人間の体内で活動する細胞の遺伝子を傷つけます。
それにより細胞が「分裂して新しい細胞を生成する」などの機能が著しく低下して、体の機能が不全な状態になってしまします。ガンや血液障害、消化器障害などの原因となります。
そしてこの放射線の影響が地上に残るのが「おおよそ2週間」と言われているのです。
つまり原爆着弾後の2週間を、外界と隔てた環境にある「核シェルター」内で過ごすことができれば、あなたの生命は健康に守られるということに繋がるのです。
そのため、家族全員が快適にとは言わないまでも、最低限度の居住スペースを確保した環境で2週間過ごすことができれば問題はない。核シェルターとしての務めを十分に果たしているということになるのです。
基本的に核爆弾が起きて直接的な被害がでるのは、着弾点から3km以内と言われています。このポイントに入ってしまうとどうしようもないのですが、3kmより離れた場所にいたならば、多少の火傷等は負うものの、生命は保たれる可能性が高いのです。
つまり核シェルターが活用される可能性、そしてその意義はとても大きいものだといえるのです。
まとめ
今回は「核シェルターは本当に意味ないのか」という部分をポイントに解説をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。内容をまとめると次のようになります。
「核シェルターなんて意味ない」と言われる3つの理由
- 爆発に間に合わない
- シェルターでの生活環境
- 「シェルター」違い
家庭用核シェルターを設置する本来の目的
核爆発後の汚染物質から身を守るため
核シェルターは当然たてたら終わりではありません。
その内部の生活環境を常に整えておく必要があります。
食料の備品類の消費期限の確認は定期的にする必要がありますし、医薬品などの管理も必要です。
いつ起こるか分からない、もしかしたら起こらないかもしれない惨事のためになかなか大変だとは思いますが、定期的な管理がどうしても必要になります。
最悪な事態から身を守るための「核シェルター」。あなたにとって必要なものなのかどうなのか、今一度考えてみてください。
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